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CA証明書とは?クライアント証明書との違いや発行方法、活用シーンをわかりやすく解説

CA(Certificate Authority)とは、デジタル証明書を発行する認証局のことを示し、ウェブサイトの安全対策において、近年非常に重要な役割を担っています。

このCAが発行するデジタル証明書には、さまざまな種類が存在します。

  • クライアント証明書
  • SSL証明書
  • デジタル署名証明書

本記事では、それぞれ発行方法や活用シーンを詳しく解説します。

※この記事では「CA証明書」を「CAが発行するデジタル証明書の総称」として解説しています(編集部注)。

目次

CA証明書とは「認証局が発行するデジタル証明書」

CA(Certificate Authority)とは「認証局」という意味で、ウェブサイトやユーザー、デバイスを認証する権限を持つ、信頼できる第三者機関のことです。CA証明書とは、認証局(CA)が発行するデジタル証明書のことを指します。

インターネット上のセキュリティを保つためには、ウェブサイトの運営者の身元証明や、ユーザーの認証などが不可欠です。CA証明書によりウェブサイト運営者の身元が保障されていれば、ユーザーは安心してウェブサイトを利用することができます

またユーザーやデバイスが認証されていれば、企業は不正アクセスや情報漏洩などのリスクを低減できます。現在、多くの企業でも活用されており、セキュリティ対策の一つとしても、認知が高まっています。

CA証明書とクライアント証明書は違う?

CA証明書と同様に、インターネットのセキュリティに欠かせないデジタル証明書として「クライアント証明書」というものもあります。では、CA証明書とクライアント証明書は何が違うのでしょうか。

実は、CA証明書という大きなカテゴリの中のひとつに、クライアント証明書が位置づけられるのです。

スクロールできます
名称クライアント証明書
役割ユーザーやデバイスの身元証明
発行元CA
内容ユーザーやデバイスの公開鍵、証明など
用途アクセス許可、電子証明、セキュアな通信

クライアント証明書は、特定のユーザーやデバイスの身元を証明する証明書です。CAによって発行され、ユーザーやデバイスの公開鍵も含まれており、特定のシステムやネットワークへのアクセスを許可するために使用されます。

クライアント証明書の要点を簡潔にまとめると以下の通りです。

クライアント証明書の特徴
  • 役割:ユーザーやデバイスが信頼できることを証明
  • 例:企業ネットワーク用の従業員証明書、ウェブサイトアクセス用のユーザー証明書、電子メール署名用の証明書

サーバー証明書とCA証明書の違い

CAが発行元である、「サーバー証明書」。クライアント証明書と同じように、こちらもまたCA証明書の一つに位置づけられ、ウェブサイトのセキュリティに重要な役割を果たしますが、異なる目的を持っています。

サーバー証明書(SSL証明書)は、ウェブサイトが本物であることを証明するパスポートのようなものです

ウェブサイトにアクセスする際、ブラウザはサーバー証明書を確認し、ウェブサイトが信頼できる機関(CA)によって発行された証明書を持っているかどうかをチェックします。

もし、サーバー証明書が正しく設定されていない場合、ブラウザはウェブサイトを信頼できず、「この接続では、プライバシーが保護されません」といった警告を表示します。

これは、パスポートを持っていない人が国境を越えようとした場合、入国を拒否されるようなものです。

サーバー証明書は、ウェブサイトのセキュリティと信頼性を確保するために非常に重要です。ウェブサイト運営者は、信頼できる CA からサーバー証明書を取得し、正しく設定することで、ユーザーのプライバシーと安全な通信を保護することができます。

サーバー証明書はさらに下記のジャンルに分類できます。

ドメイン認証型 / DV

ドメイン所有権の確認のみで発行される簡易証明書のこと。ウェブサイトのセキュリティを確保し、ウェブサイトとブラウザ間の通信を暗号化させられます。

費用が安く審査も簡単なため、企業認証型や、拡張認証型よりも導入しやすいことも特徴的です。しかし、企業の身元確認が行われていないことや、企業のロゴや社名が表示されないため、ウェブサイトとしての信頼性向上効果が限定的な点はデメリットとなります

企業認証型 / OV

ドメイン所有権に加えて、企業の身元確認も必要となる証明書。ドメイン証明書よりも高い信頼性を求める場合に適しています。サイト内に企業のロゴ(サイトシール)を表示させ認証済みであることをアピースすることも可能なため、ウェブサイトとしての信頼性を高める効果もある証明書です。

なりすましを防ぐこともできるため、セキュリティは効果的ですが、企業の身元確認が必要なのでドメイン証明書よりも取得時間、審査費用がかかります

拡張認証型 / EV

ドメイン所有権と企業の身元確認に加えて厳格な審査が行われ、最も高い信頼性を持ちます。企業の登記謄本や法人登記情報などの書類を提出することで企業の身元を厳格に確認でき、取得ができると以前はアドレスバーが緑になり、取得済みであることが第三者からもわかりました。

この仕様はGoogle ChromeやFirefoxなどの主要なブラウザでは2019年頃に廃止されています。 現在は、鍵マークをクリックすると認証された組織名が表示される仕様になっています。

なお、ドメイン型、企業認証型以上に厳密な審査が必要となるため、取得費用が高額で、より取得に時間がかかります。

その他のCA証明書

上記で紹介したクライアント証明書やサーバー証明書のほかにも、CA証明書にはさまざまな種類があります。以下で詳しく紹介します。

コードサイニング証明書

コードサイニング証明書は、ソフトウェアが本物で安全であることを保証する「デジタル署名」、いわゆるソフトウェアの品質保証シールのようなものです。

ソフトウェア開発者は、自分の作ったソフトウェアにコードサイニング証明書で署名することで、ソフトウェアが改ざんされていないことを証明できます。ユーザーは、ソフトウェアに署名されているかどうかを確認することで、安全なソフトウェアかどうかを判断できるのです。

たとえば、Windowsのソフトウェアは、多くの場合、コードサイニング証明書で署名されています。そのため、ユーザーはソフトウェアをインストールする際に、発行元の会社が信頼できるかどうかを確認できます。

コードサイニング証明書は、ソフトウェアの安全性と信頼性を高めるために必要な証明書なのです。

電子メール証明書

電子メール証明書は、メールの送信者が本当にその人であることを保証する「身分証明書」のようなものです。

たとえば、銀行からメールが届いたとして、そのメールが本当に銀行から送られてきたのか、それとも偽物のメールなのか、判断するのは難しいでしょう。電子メール証明書があれば、メールの送信者が銀行であることが証明されるので、ユーザーは安心してメールの内容を確認することができます

ルート証明書

ルート証明書は、ウェブサイトのセキュリティを支える「信頼の根源」のようなものです。

ブラウザは、ウェブサイトの安全性を確認するために、ルート証明書を元にチェックを行います。ルート証明書は、非常に信頼できる証明書であり、他の証明書(サーバー証明書など)の信頼性を保証する役割を担っています。

例えば、銀行のウェブサイトにアクセスしたとき、ブラウザは銀行のサーバー証明書が、信頼できるルート証明書によって発行されていることを確認することで、そのウェブサイトが安全であると判断します。

かんたんに言うと、ルート証明書は「ウェブサイトのセキュリティの土台」になるのです

中間CA証明書

中間CA証明書はウェブサイトのセキュリティを支える仲介役のようなものです。

ウェブサイトの安全性を確認するために、ブラウザは「ルートCA証明書」という信頼できる証明書を元にチェックを行います。この際、チェックしなければならないサイトのデータは膨大であり、時間もかかってしまうでしょう。

そこで利用する証明書が中間CA証明書です(※)。中間CA証明書は、ルートCA証明書から発行され、他の証明書(サーバー証明書など)の発行を担います。

※中間CA証明書が存在する最も重要な理由は、「信頼の根源」であるルートCAの秘密鍵を保護するためです。

つまり、ウェブサイトとルートCA証明書をつなぐ橋渡し役としてウェブサイトの安全性を確認するサポートをしているのです。

認証局の主な役割

CA証明書は認証局(CA)によって発行されます。認証局はウェブサイトや電子メールアドレス、法人、個人のデジタルIDを検証し、インターネット世界で信頼できる身分証明書を発行する役割を担います。

具体的な役割は以下の通りです。

  • 身分確認と証明書の発行
    ウェブサイト運営者やソフトウェア開発者など、証明書を必要とする人(申請者)の身元をしっかり確認し、信頼できる証明書を発行する。
  • 証明書の管理
    発行した証明書が偽物や不正なものにならないよう、常に管理し、必要に応じて証明書を無効にすることもある。
  • 情報公開
    証明書に関する情報を公開することで、誰でも証明書の信頼性を確認できるようにする。

つまり、認証局とCA証明書は、インターネットで安全に買い物したり、大切な情報をやり取りしたりするために欠かせないものなのです。

CA証明書の具体的な活用シーン

CA証明書は、インターネット上の安全な通信やデータの保護に不可欠な役割を果たしており、さまざまな場面で活用されています。ここからは、CA証明書の具体的な活用シーンを紹介します。

企業ネットワークへのアクセス

企業内システムのセキュリティを強化するために、企業ネットワークで利用する場合は、プライベート認証局で発行するCA証明書が必要です。

独自の認証局を構築し、内部ネットワークやアプリケーションのアクセス制御が行えます。

ウェブサイトへのアクセス

ウェブサイトの通信を暗号化し、情報漏えいを防ぎます。これにより、ユーザーは安全にウェブサイトにアクセスし、個人情報やクレジットカード情報などを安心して入力することができるのです。そのため、この場合は、サーバー(SSL/TLS)証明書が必要になります。

証明書をインストールすると、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示され、ウェブサイトへの信頼を高める効果があるのです。

電子メールへの署名

電子メールのセキュリティを強化するためには、S/MIMEという技術を使用します。これを使用することにより、電子メールの送受信を暗号化し、盗聴や改ざんから保護できます。また、電子メールの送信者の身元を認証することで、なりすましを防ぐことも可能です。

さらに、S/MIME対応のメールソフトウェアを利用すれば、メール本文の暗号化や、電子メールの電子署名が簡単にできます。たとえば、Microsoft Outlook では、デジタル証明書をインポートし、署名の設定を行うことで、簡単に署名付きメールを送信できるようになるのです

CA証明書を用いた電子メール署名は、特に企業間取引や機密情報を含むメールのやり取りにおいて、セキュリティ対策として有効です。当ブログを運営している電子印鑑GMOサインも、S/MIMEに対応しています。

認証局の種類と選び方

CA証明書は、認証局(CA)から発行されますが、その認証局には大きく分けて2つの種類があります。目的によって、どちらを利用するかが決まります。

パブリック認証局

インターネット上の不特定多数のユーザーに対して、Webサイトの運営組織が本物であることを証明する場合に利用します。

役割

WebサイトのSSL/TLS証明書など、公的な身元証明書を発行します。

特徴

ブラウザやOSに最初から信頼されているため、世界中の誰からアクセスしても警告が表示されません。

選び方

Webサイトを公開し、安全な通信(HTTPS)を実現したい場合は、必ずこのパブリック認証局から証明書を取得します。

プライベート認証局

企業内のネットワークなど、閉じられた環境で利用する認証局です。組織が独自に構築・運用します。

役割

社内システムへのアクセス認証や、会社が管理するデバイスの認証など、組織内での身元証明書を発行する。

特徴

外部のインターネットからは信頼されません。あくまで組織内でのみ有効です。

選び方(運用方法)
  • 自社で構築・管理したい場合
    専門知識は必要ですが、Windows Serverの機能などを使い、柔軟な運用が可能です。
  • 専門知識なしで簡単に導入・管理したい場合
    マネージドPKIと呼ばれるクラウドサービスを利用するのがおすすめです。サーバー管理の手間をかけずに、独自の認証局を運用できます。

このように、まずは「インターネットで公開するのか(パブリック)」「組織内で利用するのか(プライベート)」という大きな目的を明確にすることが、適切な認証局を選ぶ第一歩です。

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まとめ

CA証明書は用途にあわせた証明書を使用しなくてはなりません。

ウェブサイトで使用するのか、電子署名として使用するのか、法人として使用するのか、それぞれどういった用途で使用したいのかを明確にして、用途に合わせた発行方法やサービスを検討するとよいでしょう。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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